令和7年(2025年)の第二種電気工事士の試験日程が発表されました。

一昨年からの変更点は、学科試験(筆記試験)にCBT方式が導入されていること。受験者は、従来からの筆記方式とCBT方式のどちらかを好きに選択できるようになっています。

この記事では、令和7年度第二種電気工事士の試験日程の紹介と試験の申込方法、注意点などについて解説します。

関連記事:第二種電気工事士とは?取得するメリットと試験の難易度や将来性を解説

令和7年度第二種電気工事士の試験日程

第二種電気工事士の試験は年2回、試験科目は学科試験(筆記試験)と技能試験の2つです。

【令和7年度上期試験の日程】
受験申込受付 3月17日(月)〜4月7日(月)
学科試験
(CBT方式)
4月21日(月)〜5月8日(木)
学科試験
(筆記方式)
 5月25日(日)
技能試験 7月19日(土)または20日(日)
【令和7年度下期試験の日程】
受験申込受付 8月18日(月)〜9月4日(木)
学科試験
(CBT方式)
9月19日(金)〜10月6日(月)
学科試験
(筆記方式)
10月26日(日)
技能試験 12月13日(土)または12月14日(日)

(出典:電気技術者試験センター「令和7年度電気工事士試験の実施日程等のご案内より)

令和5年より、学科試験にパソコンを用いるCBT方式が導入されています。第二種電気工事士試験のCBT方式のポイントは以下のとおりです。

  • 開催期間中の好きな日時を選択して受験できる
  • 試験会場は全国約200カ所から選択可能
  • 試験日の3日前まで試験会場と日時の変更が可能
  • 出題形式は従来の筆記方式と同じ
  • CBT方式での受験を希望する場合は、期間内にCBT会場申込手続きを行う

従来の筆記方式かCBT方式のどちらかを選択して受験することになります。ただし、CBT方式を欠席したからといって、後日の筆記方式を受験することはできません。また、筆記方式は午前と午後の2回に分けて行われ、こちらは時間を選べません

なお、技能試験は、2日間にわけて実施され、日程は試験地によって異なります

第二種電気工事士の試験は各都道府県で受験可能です。令和6年度の試験地はまだ発表されていませんが、過去の試験地・試験会場はこちらの記事でまとめていますので参考にしてください。

関連記事:【2025年度】第二種電気工事士試験会場と過去の会場一覧|日程についても

 

第二種電気工事士の受験申込〜免状取得までの流れ

第二種電気工事士は受験資格がなく、誰でも挑戦できます。受験申込〜免状取得までの流れが以下の通りです。

  1. 受験申込
  2. 筆記試験の受験→合格
  3. 技能試験の受験→合格
  4. 免状申請
  5. 免状取得

学科試験に合格しないと技能試験には進めません

また第二種電気工事士の免状は、試験に合格すればすぐに申請できます。第一種のような実務経験も不要です。

免状の申請に期限はありませんが、免状がないと資格が必要な工事には従事できません。交付には約1カ月ほどかかりますので、仕事で使いたい場合は合格後すぐに申請しておきましょう。

インターネットから申し込む場合

PC・スマートフォンをお持ちの方は、インターネットからの申し込みをおすすめします。

<インターネットから申込む流れ>

  1. 電気技術者試験センターの公式サイトでマイページを作成する
  2. マイページ内の申し込み画面で必要事項を入力する
  3. 期限内に受験手数料を支払う

<インターネット申し込みに必要なもの>

  • インターネット環境
  • メールアドレス
  • 顔写真
  • 受験手数料9,300円+手数料(※)

受験手数料の支払いはクレジットカードや銀行振込などが利用できます。

※令和4年度の事務手数料は293円(税込み)でした

1.マイページを作成する

電気技術者試験センターの公式サイトでマイページを作成します(すでに今年度のマイページを作成している方は、この手順は不要です)。

①公式サイトにアクセスし、マイページ作成画面を開く

②「新規登録(はじめての方)」を開く

③「個人情報保護に関する基本方針」に同意する

④「アカウント登録画面」で必要事項を入力する

  • 「ログインID」「パスワード」は自由に設定できます
  • 「氏名」や「生年月日」は住民票のとおり正確に入力してください。住民票の記載と異なると免状交付がされません。また、氏名と生年月日の変更には別途書類による申請が必要になります
  • 「電話番号」「メールアドレス」は連絡が取れるものを入力します

⑤「確認画面」で確認

これで今年度分のマイページ作成が完了です。まだ受験申し込みは終わっていませんので、次へすすんでください。

2.マイページへログインして受験申し込みを行う

受験申し込みページから必要事項を入力します。申し込みページは申し込み開始日の10:00から終了日の17:00まで開きます。

マイページを開く

②マイページのサイドバーの「試験申込」をクリック

③「令和◯年第二種電気工事士試験上期試験」または「令和◯第二種電気工事士試験下期試験」の項目を探す

④申し込みページを開き、必要事項を入力する

  • 学科試験の免除申請をする場合は、試験区分で該当するものを選択してください。前回の受験番号もマイページから確認できます
  • ここで選択した学科・技能試験の試験地については、一定期間は変更可能です
  • ここで選択した受験手数料の支払い方法で、後ほど手数料を納付します

⑤顔写真をアップロードする

  • 登録した顔写真は試験会場で本人確認に使用されます
  • 写真はサイト上で縮小・拡大・トリミングが可能です

⑥「確認画面」を確認

学科試験でCBT方式を利用する方は、申し込み完了後に別途マイページ内の「CBT会場申込手続」から申請します。その前に、受験手数料の支払いを済ませましょう。

郵送から申し込む場合

インターネット環境がない方は郵送でも申し込みできます。

<郵送で申込む流れ>

  1. 受験案内(書面)を取り寄せる
  2. 「受験申込書」と「払込取扱票」に必要事項を記入する
  3. ゆうちょ銀行にて受験手数料を納付する
  4. 受験申込書を投函する

<郵送申し込みで必要なもの>

  • 受験案内(書類)
  • 受験手数料9,600円+手数料
  • 顔写真

郵送の場合、受験手数料をゆうちょ銀行で先に納付した後、申込書を投函します。申し込みは締切日の消印有効です。

なおCBT方式を利用する場合は、郵送でも電気技術者試験センターの公式サイトからマイページ作成が必要になります。

1.受験案内(書面)を取り寄せる

まずは受験案内を入手します。受験案内は、返送用封筒を試験センター本部事務局に郵送して取り寄せます。申込案内は無料です。

①返送用封筒(角2封筒)に切手210円を貼る

②表面にあなたの郵便番号、住所、氏名、電話番号を記入のうえ、「第二種電気工事士◯期試験受験案内 請求」と朱書きする(◯は「上」「下」のいずれか)

③返送用封筒を試験センター本部事務局へ郵送する

【宛先】
〒104-8584
東京都中央区八丁堀 2-9-1 RBM東八重洲ビル8階
一般財団法人 電気技術者試験センター 本部事務局

封筒が到着次第、申込案内が送付されます。受験案内が手元に来るまで、本部に到着して1週間程度かかるため、締め切り直前になると間に合いません。早めに取り寄せるようにしてください。

(参考:一般財団法人電気技術者試験センター「受験案内の配布」)

2.申込書を記入する

受験案内に同封された「受験申込書」と「払込取扱票」に必要事項を記入し、「受験申込書」に顔写真を貼ります。

3.ゆうちょ銀行で受験手数料を納付

払込取扱票を郵便局の窓口へ提出し、受験手数料9,600円を納付します。振込手数料は自己負担になります。

4.受験申込書を郵送する

受験申込書を投函します。申し込み期間の消印有効です。

書面による申し込みでも払込票記載の固有番号でマイページが作成でき、基本情報や試験地変更が行えます。

CBT方式の申し込み方法

CBT方式を利用する場合は、受験申し込み確定後に、別途「CBT会場申込手続」にて試験会場と試験日時の選択を行います

  • CBT方式の申し込みはマイページ内から行う(郵送で申し込んだ場合も同様)
  • CBT方式の申し込みキャンセルは会場申込期間中であれば可能
  • CBT方式の申し込みを行わなかった場合は筆記方式での受験になる
  • 試験会場と試験日時は試験日の3日前まで変更が可能

※CBT方式の詳細は、情報が公開され次第追記します。

受験申込方法と受験手数料

第二種電気工事士の受験申込みは、インターネットまたは郵送でできます。

申込方法 受験手数料 支払い方法
インターネット 9,300円(非課税)
  • クレジットカード決済
  • コンビニ決済
  • ペイジー決済
  • 銀行振込
郵送 9,600円(非課税) 払込取扱票にて支払い

申込窓口は(一般)電気技術者試験センターです。

郵送の場合、受験案内(申込書付き)の請求が必要ですインターネット申込みを促進するため、書店などでは受験案内が入手できなくなっています。試験センターのHPでも申込書はアップロードされませんので、早めに動きましょう。

筆記試験の免除を受ける際の注意点

第二種電気工事士の試験では、技能試験に落ちた方に対して、次に実施される学科試験に限り免除となる救済措置があります。

ただし、免除を受ける際は以下の点に注意してください。

  1. 上期の技能試験が不合格だった場合は、速やかに下期試験に申し込むこと
  2. 筆記試験免除の区分で申し込むこと

例年の傾向から、令和7年上期の技能試験合格発表は、下期の受験申込期間中だと予想されます。

とくに郵送での申込みを希望する場合、前期の技能試験の結果がわかってから動いても間に合いませんので、受験案内だけは先に取り寄せておきましょう。

また筆記免除は自動で適用されません。試験区分を選択する際は、忘れず筆記免除を選択してください。

第二種電気工事士の難易度と試験内容

第二種電気工事士の難易度は、電気関係の国家資格のなかでは簡単な部類に入ります。

【令和6年上期の合格率】

  • 学科試験(旧 筆記試験):60.1%
  • 技能試験:71.0%

(※試験センター発表のデータから、合格者÷受験者で計算)

さらに前の合格率については、以下の関連記事をご覧ください。

関連記事:第二種電気工事士の12年間の筆記・実技別合格率の推移|勉強に必要な期間や方法

 

令和7年も例年通りであれば、合格率は学科試験55%前後、技能試験70%前後になるでしょう。十分に独学で合格が狙えるレベルです。

ただし、電気工事の初心者は技能試験に要注意。実際に手を動かして工作する試験のため、事前練習なしでの技能試験合格はほぼ不可能だと考えてください。技能試験の対策については、こちらの記事で詳しくまとめています。

関連記事:第二種電気工事士の技能試験(実技)|独学で合格するポイントを徹底解説

筆記試験

筆記試験は午前と午後の2回実施されますが、選択はできません。制限時間は1時間30分です。

四肢択一方式のマークシート方式なので、解るところからどんどん進めていきましょう。

試験会場で使用できる用具は以下のとおりです。

  • HBの鉛筆又はHBの芯を用いたシャープペンシル、鉛筆削り
  • プラスチック消しゴム
  • 定規
  • 色鉛筆、色ボールペン、蛍光ペン、マジック
  • 時計(電卓機能、スマートウォッチ等の通信機能を持つもの、アラームなど音が出るものは使用できません)
  • ストップウォッチ(音が出ないもの)
  • 眼鏡、ルーペ

試験会場で使用できないものは主に次のふたつ。

  • 電卓
  •  ボールペン

試験の出題範囲は以下のとおりです。

科目  範囲
電気に関する基礎理論 ①電流、電圧、電力及び電気抵抗
②半導体及び絶縁体
③交流電流の基礎概念
④電気回路の計算
配電理論及び配線設計 ① 配電方式
② 引込線
③ 配線
電気機器、配線器具並びに電気工事用の材料及び工具 ① 電気機器及び配線器具の構造及び性能
② 電気工事用の材料の材質及び用途
③ 電気工事用の工具の用途
電気工事の施工方法 ① 配線工事の方法
② 電気機器及び配線器具の設置工事の方法
③ コード及びキャブタイヤケーブルの取付方法
④ 接地工事の方法
一般用電気工作物の検査方法 ① 点検の方法
② 導電試験の方法
③ 絶縁抵抗測定の方法
④ 接地抵抗測定の方法
⑤ 試験用器具の性能及び使用方法
配線図 配線図の表示事項及び表示方法
一般用電気工作物の保安に関する法令 ① 電気工事士法、同法施工令、同法施工規則
② 電気設備に関する技術基準を定める省令
③ 電気用品安全法、同法施工令、同法施工規則及び電気用品の技術上の基準を定める省令

参考:一般財団法人 電気技術者試験センター:令和6年度 第二種電気工事士試験 受験案内

・試験形式

学科試験はCBT方式筆記方式のどちらかを選択して受験します。試験の難易度に変わりはありませんが、試験日時や会場の自由度が異なります。

① CBT方式
  • 試験日時:CBT方式受験期間の中から日程・時間を選択
  • 試験会場:複数あるテストセンターの中から選択
  • 受験方法:試験会場のパソコンを使用
  • 採点結果:受験後すぐに確認可能
② 筆記方式
  • 試験日時:試験センターが定めた筆記試験日、10:00に試験開始
  • 試験会場:試験センターが定めた試験会場(大学や研修センターなど)
  • 受験方法:マークシート
  • 採点結果:試験翌日公表される解答を基に自己採点
共通の試験情報
  • 問題数:50問(1問2点)
  • 回答方法:4択の選択問題
  • 試験時間:120分
  • 合格ライン:60点以上

技能試験

技能試験は支給される材料を使用し、配線図で与えられた問題を40分の制限時間内に完成させる方法で行われます。

工具の貸し出しはないため、練習等で使い慣れたものを必ず持参しましょう

電動工具以外の工具はすべて使用できます。

指定工具として必須のものは、以下の5点です。

  •  ペンチ
  • ドライバ(プラス・マイナス)
  • ナイフ
  • スケール
  • ウォータポンププライヤ及びリングスリーブ用圧着工具(JIS C 9711:1982・1990・1997適合品)

試験の内容は以下のすべてか、一部について行われます。

  1. 電線の接続
  2. 配線工事
  3. 電気機器及び配線器具の設置
  4. 電気機器、配線器具並びに電気工事用の材料及び工具の使用方法
  5. コード及びキャブタイヤケーブルの取付け
  6. 接地工事
  7. 電流、電圧、電力及び電気抵抗の測定
  8. 一般用電気工作物の検査
  9. 一般用電気工作物の故障箇所の修理

関連記事:第二種電気工事士の技能試験(実技)|独学で合格するポイントを徹底解説

合格に必要な勉強時間

第二種電気工事士の勉強時間は、独学で150時間、期間にしておよそ3カ月が目安です。

  • 学科試験:法律や電気工事関連の問題が出題される。四肢択一のマークシート方式。
  • 技能試験:与えられた配線図と材料を元に工作物を完成させる。工具は受験者の持ち込み。

技能試験は事前に候補問題が13問公表され、そのうちの1つが本番で出題されます。各会場で出題される問題は異なるため、どれが出ても合格できるよう、すべての問題を2周はしたほうがよいでしょう。

とはいえ、まず目指すべきは筆記試験の合格です。勉強方法については、詳しくは下記の記事で解説しています。

関連記事:第二種電気工事士を独学で合格する勉強方法|おすすめテキストも紹介

効率よく合格を目指すなら日本エネルギー管理センターへ

令和7年度第二種電気工事士の試験日程が発表されました。

一昨年からの変更点として、令和5年から学科試験にCBT方式が追加されています。CBT方式を希望する場合、期間内に別途オンラインでCBT会場申込みが必要になるため、忘れず手続きしてください。

第二種電気工事士の合格に必要な勉強期間は150時間。独学でも合格が狙える難易度です。

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