水力発電所は、水の持つ位置エネルギーを発電に利用する発電所です。
 高さH[m]にm[㎥]の水があるとすると、その水の持つ位置エネルギーPwは、重力加速度をgとすると次の式で表わされます。
    Pw=mgH[kJ]
 重力加速度は9.8ですから、
    Pw=9.8mH[kJ]
となります。水力発電所はこの位置エネルギーを利用して発電しているわけです。ではその出力はというと、水の流量をQ[㎥/s]とすると
    P=9.8Q(H-h)η[kW]
となります。なぜ単位が[kJ]から[kW]になったかというと、流量の単位が[㎥/s】ですので[kJ/s]になります。以前お話ししたように、[W]は[J/s]ですので[kW]となるわけです。
 上の式のhは損失落差といい、水が鉄管や水路を通る間にエネルギー損失が生じます。この損失分を損失落差として計算するわけです。ηは効率で、位置エネルギーを水車や発電機で機械的エネルギーや電気エネルギーに変換する時に損失が発生することによる変換効率です。
 水力発電所の出力計算は、火力発電の計算に比べ比較的容易です。ただし、水力の計算問題は応用的な問題が多いため今回お話しした基本は必ず抑えておく必要があります。
 
 
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