電験三種の難易度は高いことで知られています。

この記事ではどうして電験三種の難易度が高いのか、どのようにして電験三種を勉強していくべきかについて解説します。

勉強時間の目安についても紹介するので、ぜひ参考にしてくださいね。

 

電験三種の難易度が高い理由

3934017_s

電験三種の難易度が高い理由は、電気の扱いがそれだけ重要なものだからです。

電験三種は、そもそも電気工事の保安と監督のための資格。

電気は目に見えないにもかかわらず一度事故が起きればけが人が出やすい上、給電が止まれば社会に大きな影響を及ぼします。

しかし電験三種を取得することで、たとえ未経験でも危険を伴う電気工事の監督業務に就くことが可能になります。

だからこそ、電験三種の試験はあえて難しいものになっているのです。

電験三種の概要については「電験三種とは|2021年の試験概要や難易度、独学が可能かについても」にて解説しているので、よくわかっていない方は確認しておきましょう。

関連記事:電験三種とは|2021年の試験概要や難易度、独学が可能かについても

このような事情がある上で、電験三種の試験自体の難易度が高い理由を3つ紹介します。

  • 出題範囲が広いので網羅的な勉強が必要
  • 連続して同じ問題が出ない
  • 計算問題にコツが要る

出題範囲が広いので網羅的な勉強が必要

4238078_s

電験三種は出題範囲がかなり幅広いです。

  • 電気に関する基礎である『理論』
  • 発電や発電所からの電気の受け渡しに関する『電力』
  • 誘導機や電動機など電気機械器具に関する『機械』
  • 電気が関わるすべての規則に関する『法規』

これらすべてで合格点に達しなければなりません。

幅広い勉強が必要ということは、それだけ継続的かつ計画的な勉強が必要ということ。

日々忙しい社会人にはなかなか毎日勉強する、というのが難しいのです。

連続して同じ問題が出ない

電験三種では、連続して同じ問題が出ることはほとんどありません。

学校の入学試験を含む資格試験では「過去問を解いておくことが重要」と言われがちですよね。

ただ電験三種に関しては、過去問は最低5年分はやっておく必要があります。

電験三種は時間がタイトな試験であるため「一度類似の問題を見たことがある」問題を一気に解いて合格点分を取るような形が理想です。

事前に問題数をどれだけこなせるかが、合格の秘訣となります。

計算問題を解く必要がある

2312318_s

電験三種は第二種電気工事士試験と違い、計算問題を解かなくては合格できない試験です。

計算問題といっても70%は中学数学までの知識で解けるものも多いのですが、量が多いので公式を覚えるのが大変です。

また30%は高校数学以上の内容ですが、だからといって捨てることができないのも電験三種の難易度を上げている原因になっています。

たとえば度数表示とラジアン表示。

これらの項目を理解していないと交流の位相に関する問題をマスターできないのです。

文系として生きてきた方にはハードルの高い試験といえるでしょう。

 

電験三種の合格率は10%弱

電験三種の合格率は毎年8~10%程度です。

年度 申込者(人) 受験者(人) 合格率
令和2年(2020年) 55,408 39,010 9.80%
令和元年(2019年) 59,234 41,543 9.30%
平成30年(2018年) 61,941 42,976 9.10%
平成29年(2017年) 64,974 45,720 8.10%
平成28年(2016年) 66,896 46,552 8.50%

(参考:一般財団法人 電気技術者試験センター

つまりなんとなく勉強して普通に過去問を解いただけではなかなか合格が難しい試験、ということがわかります。

電験三種の合格率が低い理由

電験三種の合格率がここまで低い理由の一つに「受験資格がない」事が挙げられます。

単純に誰でも受けられるがために、落ちる人も多いのです。

そもそも試験の難しさは合格率だけでは決まりません

たとえば国家資格の中でも一般的に難しいと言われる司法試験は25~30%ほどです。

しかし電験三種の3倍ラクに合格できるわけではありません。

まず司法試験を受けるための資格を得るためには3000~8000時間の勉強を必要とする「予備試験」に合格する必要があります。もしくは法科大学院を出る必要があり、その場合は学部と合わせて6年間の時間と学費がかかります。

つまりそれだけの時間とお金の積み重ねがあった上での合格率が、25~30%なのです。

よって合格率だけを見て「絶望的に難しい」と考えるのは早計です。

後述する「科目別合格制度」などの救済制度もあるため、うまく活用して合格を狙いましょう。

ちなみに申込者に対して受験者が少ない理由としては、9月の試験に対して申し込みが5月(年度による)と早めなことが考えられます。

「申込みはしたが、勉強で挫折してしまった」「申し込みをした当初は電験三種が必要だったが、事情が変わり必要なくなった」などのことが起きやすいのですね。

科目別合格制度を活用しよう

3934013_s

電験三種には科目別合格制度があります。

科目別合格制度とは、理論・電力・機械・法規の4つの科目それぞれで合否が決定し、4つすべてを合格することで電験三種に合格する仕組みです。

年度によって狙う科目を絞って勉強できるメリットがあるため、勉強時間が限られている社会人には嬉しいシステムですね。

科目別合格制度を有効に活用して、計画的に電験三種に合格しましょう。

科目別合格制度の注意事項

科目合格にはひとつ注意があります。

合格した科目の試験が免除されるのは2年までなのです。

つまり初受験の年で合格した科目は、3年目の受験までしか有効にならず、4年目には再度受験し合格する必要があります。

3年以内に4科目すべて合格しなければならないのですね。

 

電験三種の勉強のコツは公式を覚えること

電験三種の勉強のコツは、まず公式を覚えることです。

電験三種における公式は仕事で使う「道具」のようなものです。

まず道具を知る。

そして使い方を覚えた上で何度も練習問題を解き、道具の使い方を自分の手に覚えさせる。

このようなステップを経て「自分の手元にカードが揃っていること」「そのカードを度のタイミングで切るかわかっていること」という状態となります。

電験三種は時間がかなり限られているため、道具を十分に使い慣れていることが重要になるのです。

ちなみに公式をただ覚えるだけでは大変なので、関連性を意識しましょう。

勉強を進めていくと、関連のある公式がかなり多く存在することに気がつくでしょう。

それらの公式を関連付けて、ひとまとめにして覚えるのです。

 

電験三種の勉強時間の目安は合計1000時間

4191319_s

電験三種の勉強時間は、合計で1000時間とよく言われます。

実際当センターでも一年で一発合格していく珍しい方がいますが、皆さん勉強時間を聞くと「1200時間くらい」などの超人的な勉強時間となっています。

ただ「そんなに時間を取れない」という方もご安心ください。

会社や子育てなど、社会人は何かと忙しいもの。

科目別合格制度を活用しましょう。

忙しい方は2年で2科目ずつ合格するイメージ

1年間で1000時間を取れない方は、2年間で2科目ずつ受験するイメージでいましょう。

まず初年度は理論と電気もしくは機械の勉強を500時間かけてするのです。

次年度に残りの機械と法規を500時間かけて勉強し、3年目には取りこぼした科目を再度受験して晴れて電験三種に合格、というかたちです。

電気と機械はある程度繋がりがあるので、(理系出身であるなどで)余裕があれば初年度に同時に勉強を始めてもいいかもしれませんね。

1000時間の内訳

2年で1000時間なので一年あたり500時間の内訳としては、以下の2通りのどちらかが無理のないプランとなります。

  • 毎日1時間半を365日続ける
  • 平日は1時間、休日は3時間

「毎日1時間半なんてイメージが湧かない」という方は、一時間早起きして家の中で勉強するか、職場に早めに行きましょう。

1時間机の上でバッチリ勉強できれば、あとは通勤通学の行き返りで往復30分、暗記などに使えば合計1時間半です。

重要なのは継続的に勉強するクセをつける(そして知識を確実に定着させる)ことなので「平日はまったく勉強しないけど、土日だけ一日8時間している」みたいな勉強の仕方はNGです。

 

効率的に勉強したい方は日本エネルギー管理センターまで

Close up view of simple workspace with laptop, notebooks, coffee cup and tree pot on white table with blurred office room

効率的に勉強したい方は日本エネルギー管理センターで勉強しましょう。

電験三種にかかわらず資格試験に関して「独学で取得可能なのか」は非常に話題になりがちですよね。

ただ、電験三種に関しては信頼できる誰かに教えてもらうのが遥かに効率的です。

関連記事:電験三種の独学が難しい理由|合格をあきらめたくない方向けの勉強方法も解説

全体像が見えやすく暗記してしまえば合格できるような資格であればいざ知らず、電験三種のように全体量が膨大で計算にもコツが必要な試験であれば、電気のプロに教えてもらうのが一番なのです。

また電験三種の目安となる勉強時間の目安は上記の通り1000時間であり、1000時間は24時間のうちの1時間半を毎日奪っていくだけの時間の長さ。

これだけの長時間を独学した結果、効率の悪い勉強になってしまって合格できないのは純粋に時間がもったいないというものです。

日本エネルギー管理センターでは、初級クラス・中級クラス・地獄の特訓と3つのコース分けにより、あなたの実力にあった学びが可能です。

  • 初級クラス:初めて電気を勉強する方から、もう一度基礎から勉強したい方まで
  • 中級クラス:初級コースを受講された方、電験三種再チャレンジの方、簡単なA問題は自力で解ける方
  • 地獄の特訓:初級・中級コースを受講された方、あと10点あれば合格できるという方

講義のサンプル動画がYouTubeに上がっていますので、電験三種をこれから勉強しようという方はぜひご覧ください。

実際の初級クラスの講義ノーカット版なので、この動画だけでかなり勉強になります。

ちなみに「電験三種オンライン動画講座」に登録することで月額2,680円(税込み)で全コース受け放題です。

お得な6ヶ月コース、12ヶ月コースもあるので、興味のある方はぜひこちらの講座紹介ページから内容を確認しましょう。