電験三種は高難易度の試験と言われ独学でも一発で合格できる人もいる一方で、何年かけても合格できず諦めてしまう方もいます。

この記事では電験三種の独学が難しい理由と勉強の方法、諦めたくない方に向けて合格に近づくためのコツについて紹介します。

勉強時間を無駄にしないためにも、ぜひ参考にしましょう。

 

電験三種の難易度は高い

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電験三種の合格率は毎年10%を切っており、難易度は高めといえます。

そもそも電験三種(電気主任技術者第三種)とは、電気工事の現場監督をするための資格です。

電気工事の監督は電気主任技術者の資格がない就くことができない、いわゆる業務独占資格にあたります。

さらに電気主任技術者は不足傾向にあるため、電気主任技術者の資格を持っていれば未経験でも採用の可能性がぐっと上がります。

つまり電験三種は転職・就職の際資格として強力な威力を発揮するわけです。

関連記事:電験三種とは|2021年の試験概要や難易度、独学が可能かについても

ただ未経験でも現場の監督が可能といっても、本来電気は目には見えないものでありながら一度事故になれば人を怪我させてしまったり、簡単に社会に大きな影響を及ぼしてしまうようなもの。

本来電気は危険なのです。

だからこそ、電験三種の難易度は高めに設定されています。

実際、ここ5年間の電験三種の合格率は10%を切っています

「電験三種の難易度は高い|年度別合格率と、合格するために大切なこと」にて解説しているので、興味のある方はご覧ください。

関連記事:電験三種の難易度は高い|年度別合格率と、合格するために大切なこと

 

電験三種の独学が難しい理由

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電験三種の独学が難しい理由は、電験三種には以下の特徴があるからです。

  • 範囲が広大
  • 計算問題が多い
  • 試験が一年に一度

以下に詳しく解説します。

範囲が広く網羅的な勉強が必要

電験三種の出題範囲はかなり幅広く、網羅的な勉強が必要になります。

  • 電気に関する基礎である『理論』
  • 発電や発電所からの電気の受け渡しに関する『電力』
  • 誘導機や電動機など電気機械器具に関する『機械』
  • 電気が関わるすべての規則に関する『法規』

これら4科目すべてで合格点を獲得して、晴れて「電験三種合格」となります。

試験範囲が広大ということは、それだけ出題範囲の全体像をつかむのが難しい試験ということです。

勉強すべき優先順位の優劣や難しい範囲、易しい範囲は勉強を進めていく中で知るしかなく、勉強が行きあたりばったりになりがちです。

またそもそも普段の日常生活に関わりのない内容を勉強することになる人が大半なので、すべての出題範囲を独学で理解していくのは、なかなか根気の必要な作業と言えるでしょう。

計算問題が多くコツが必要

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電験三種は計算問題が多いのが特徴です。

計算そのものは中学数学で解ける範囲からの出題が大半ですが、公式を覚えていないと計算するパートまでたどり着けないので、なかなか一筋縄ではいけません。

また計算パートにおいても「代入を早めにすると計算がややこしくなる」などコツもあるため、学生時代計算が得意だった人でないと独学で進めていくのは厳しいかもしれません。

さらに中学数学で解けない範囲も捨てられないのも、電験三種の難しいポイントです。

たとえば度数表示とラジアン表示。

これらの項目を理解していないと交流の位相に関する問題をマスターできないのです。

文系の方であれば時間や受験費用を無駄にしない意味でも、数学について基礎からきちんと教えてもらえるところで勉強したほうがよいかもしれません。

試験が一年に一度で計画性が必要

電験三種は一年に一度しか試験がありません。

また電験三種は上記の通り難易度が高く、一夜漬けや3ヶ月前からの勉強で合格できる試験ではありません。

つまり一年単位で計画を立てて実行をしないと、難易度の高い電験三種に合格できないのです。

あなたは年の初めに立てた一年の目標を達成したことが、何度ありますか?

もし一年の目標を毎年着実に達成しているのであれば電験三種においても、綿密なスケジュール管理が可能かもしれません。

しかし、もし「目標を立ててもスケジュールにまで落とし込めず、達成したことがない」「スケジュールは立てられても、なかなか実行できない」というのであれば、電験三種のプロが考えたカリキュラムに沿って勉強するほうがうまくいく可能性が高いでしょう。

 

電験三種独学の勉強スケジュール

電験三種を独学するスケジュール感について解説します。

一般的に、電験三種の勉強時間の目安は「1000時間」と言われています。

しかし「1000時間÷365日≒2.7時間も毎日勉強しなくてはならないのか」と嘆く必要はありません。

科目別合格制度を活用する

電験三種には「科目別合格制度」があるため、積極的に活用しましょう。

科目別合格制度とは、理論・電力・機械・法規の4つの科目それぞれで合格が2年間セーブされる仕組みです。

一年で4科目すべて合格できなくとも、翌年、翌々年までに残りの科目を合格できれば電験三種合格なのです。

なお3年目までに合格できないと1年目に合格できた科目がリセットされて、再度受験する必要が出てくる点には注意が必要です。

とはいえ社会人など毎日3時間の勉強時間を取れない方には非常に便利なので、積極的に活用しましょう。

無理がないのは3年での合格

科目別合格制度を利用して3年間じっくり腰を据えて合格を目指すと、勉強時間に無理がありません。

たとえば2年間で2科目ずつ勉強して、3年目は取りこぼした科目を再受験する場合であれば、1年間の勉強時間は500時間で済みます。

500時間であれば毎日1時間半の勉強時間でOK。

1時間半であれば通勤の行き帰りの電車内で30分 + 夜は早めに寝て1時間早めに通勤し、職場で勉強することでクリアできる勉強時間です。

実感の湧きやすい現実的な時間ではないでしょうか。

1年で合格はかなり難しい

電験三種は仮に勉強時間を1年で1000時間確保できる、という方でも1年で合格するのはかなり難しい試験です。

通常科目別合格率は基本的に10~20%。

しかし毎年4科目のうち1科目は合格率が10%を割り込むので、一発ですべての科目を合格するのはかなり難易度が高いのです。

年度 理論(%) 電力(%) 機械(%) 法規(%)
令和2年(2020年) 14.6 8.7 17.0 9.0
令和元年(2019年) 15.5 9.1 11.6 9.3
平成30年(2018年) 11.6 17.8 13.8 6.6
平成29年(2017年) 13.7 13.7 20.1 9.6
平成28年(2016年) 19.2 12.2 6.7 12.6

(参考:一般財団法人 電気技術者試験センター・合格率が10%を切る年度の科目を黄色のマスで表示しています)

あまり一発合格にこだわらないほうが、余裕を持って試験に臨めるかもしれません。

 

電験三種独学の勉強方法

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電験三種独学の勉強方法について紹介します。

上記の通り電験三種の独学はなかなか大変ですが、ぜひ参考にしてください。

公式を覚えるのが最重要

電験三種はまず公式を覚えるのが最重要です。

公式は、いうなれば問題を解くための道具

試験問題は「手慣れた道具を利用していかに短時間で問題を解決するか」を測るようなものなので、まずは道具を知り使い方を覚えることが大切なのです。

問題演習など他のことは、公式を覚えてからで大丈夫。

とはいえ公式の数もかなり多く、一朝一夕には覚えられません。

公式を覚えるコツは、公式同士を関連付けて覚えることです。

一つひとつをバラバラに覚えていると、知識が独立してしまってうまく使いこなせません。

それぞれの関係性から覚えて、いつでも使えるようにしておきましょう。

理論→電力・機械→法規の順番に勉強

電験三種の勉強は理論→電力・機械→法規の順番に行いましょう。

理論はすべての科目のベースとなりますし、法規は他の科目を勉強しないと難しい所があります。

ちなみに機械と電力は互いに関係しあっているので、理論→電力・機械→法規の順番で勉強を進めると全体像が見えやすくなるのです。

下に日本エネルギー管理センターの電験三種の「初級講座」を紹介します。

独学の際の参考にしてください。

【理論】

【電力】

【機械】

【法規】

過去問は最低5年分は解く

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過去問を最低でも5年分は解けるようにしておきましょう。

電験三種は連続して同じような問題が出ることは少ないですが、数年レベルでは同様の問題が出ることが多いのです。

また電験三種は時間が非常にタイトなため、あまりじっくり考える暇がありません

そのため「一度解いたことがある問題」を以前解いた要領でひたすら解き、合格点が取れる状態で試験に臨む必要があります。

7月8月の最後2ヶ月は、ひたすら過去問演習をする時期としましょう。

 

初年度頑張ってみて難しければ、電験三種は独学にこだわる必要なし

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極力費用をかけずに電験三種に合格したい、という方は独学で臨むのもよいでしょう。

しかし一年間頑張ってみたにもかかわらずあまり手応えが得られなかった場合は、あまり独学にこだわる必要はないのではないでしょうか。

電験三種の勉強時間はあなたの日常生活を削って作られるものです。

たとえば朝早く起きて会社で勉強する1時間は、電験三種を受けなければゆっくりと寝ていられた時間です。

夜もう少し遅くまで起きていることもできたでしょう。

だからこそ、しっかり時間をとるのであれば効率よく勉強して結果に結びつけるべきなのです。

日本エネルギー管理センターではレベル別に3つのクラスに分けられていて、今のあなたにあった知識をお教えします。

【初級クラス】:「今から勉強を始めるけど、そもそも今まで電気に関わってこなかった」という方から「一度勉強したけど、基礎からもう一度基礎から勉強したい」方向け

【中級クラス】:初級クラスを卒業した方、簡単なA問題を自力で解ける方を「時間をかければ自力で過去問にて合格ラインを取れる」レベルに持っていく

【地獄の特訓】:「あと十点あれば合格できる!」という方が確実に60点以上取れるようなラインに持っていく

詳細はこちらの紹介ページをご覧ください。

 

さらに2021年から、低価格の月額制オンライン講座がスタートしました。

上記3つのクラスすべての講義映像を収録した動画が、なんと月額2,630円~見放題なのです。

あなたが受けられる講義は2019年、2020年度の講義、合計500時間を超えます。

また2021年分の講義も順次公開予定なので、最新情報もバッチリ押さえられます。

さらに受講期間中であれば、授業の内容・過去問などについての講師への質問はメールにて月に5回まで受付可能です。

しかもお得な6ヶ月コース、12ヶ月コースも設定されており、月額費用をさらに下げることも。

せっかく時間をかけるのです。プロの作ったカリキュラムで、プロの講義を受けることで、時間を有意義に使いましょう。

興味のある方はぜひこちらの講座紹介ページから内容が確認できます。