前回の記事で、同期電動機はそのままでは始動できないと言うことをお話ししました。なぜ始動できないかをおさらいすると、同期電動機は固定子巻き線による回転磁界を回転子が追従することにより回転します。しかし、停止した状態からでは回転磁界を回転子が追従する事ができないため、始動トルクが生まれず始動することができないのです。そこで、同期電動機を始動するために以下のような方法が用いられています。
(1)自己始動法
 回転子に施されている制動巻き線を利用し、誘導電動機として始動し同期速度付近まで加速してから回転子側を励磁する。この方式の場合、始動トルクは非常に小さいものであるため無負荷、もしくは軽負荷の状態で始動する。また、容量の小さい電動機に限られる。
(2)始動電動機法
 始動用の電動機により同期速度付近まで加速し、回転子側を励磁する。主に大容量機の始動に用いられる。

 上記以外の方式として、現在主流となってきているものに電源周波数をインバータにより可変し始動する方式があります。(自己始動法の一種と言えます)この方式の場合、始動トルクも比較的大きくなめらかな制御も可能となるため、電気自動車を始めPM(永久磁石形)同期電動機と併せて用いられるケースが非常に増えてきています。
 今回お話しした同期電動機の始動法は、知識問題として過去何度も出題されている内容です。必ず覚えるようにしてください。

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