配電系統の構成方式の一つであるスポットネットワーク方式に関する記述として、誤っているのは次のうちどれか。
(1)都市部の大規模ビルなど高密度大容量負荷に供給するための、2回線以上の配電線による信頼度の高い方式である。
(2)万一、ネットワーク母船に事故が発生したときには、受電が不可能になる。
(3)配電線の1回線が停止するとネットワークプロテクタが自動開放するが、配電線の復旧時にはこのプロテクタを手動投入する必要がある。
(4)配電線事故で変電所遮断器が解放すると、ネットワーク変圧器に逆電流が流れ、逆電力計電気により事故回線のネットワークプロテクタを解放する。
(5)ネットワーク変圧器の一次側は、一般的には遮断器が省略され、受電量断路器を介して配電線と接続される。

答え (3)

解説
 スポットネットワーク方式は、2~4回線の配電線により常時並列に需要家に電力供給を行う方式で、いずれかの配電線で事故があっても他の配電線で供給が継続されるため信頼度の高い方式となっています。スポットネットワーク方式の構成は、受電用一次断路器→ネットワーク変圧器→ネットワークプロテクタ(プロテクタヒューズ、ネットワークリレー、プロテクタ遮断器で構成されている)→ネットワーク母線となっており、ネットワーク母線を介してすべてのネットワーク変圧器が並列に接続されています。このことから、電圧降下、電力損失、電圧変動の小さいため非常に優れた供給方式と言えます。(ただし、設備構成のために高額な初期投資が必要)
 ネットワークプロテクタは、次の3つの特性(ネットワークプロテクタの3大特性)を有しています。
(1)差電圧投入
 1回線、または2回線で受電中、さらに残りの受電線路のいずれかが充電されると当該ネットワークプロテクタの一次側と二次側の電位差を検知して自動ネットワーク遮断器をで投入する
(2)無電圧投入
 ネットワーク母線が充電されていない状態で、受電回線のいずれかが充電されると当該ネットワーク遮断器を投入する
(3)逆電力遮断
 ネットワーク配電線の停止または事故時にネットワーク母線より線路へ電力が逆流した場合に、当該ネットワーク遮断器を遮断する

 したがって、問題の(3)にある「配電線の復旧時にはネットワークプロテクタを手動投入する必要がある」が誤りで、正しくは「配電線復旧時にはネットワークプロテクタは自動投入する」となります。

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