名古屋一宮校 細江です。保安管理業務レポート第七弾です。

最近、「高調波」という言葉がよく聞かれるようになりました。しかしその「 高調波」とは何なのかを、正確に理解している人はそう多くはないでしょう。

電験の教科書に載っているような説明だと、「高調波」とは「周期的な複合波の各成分中、基本波以外のもの。」のことです。

現在「高調波 」と言われているものは、ほとんどが「電源高調波電流」のことを指し、電気の流れる方向が周期的に変化するものをいいます。

結果として、電動機が異常回転や振動を起こしたり、電気機器に悪影響を及ぼしたり、他のお客さまの電気の使用を妨害したり、もしくは妨害するおそれがあります。

さて今回の事例はこの高調波に関するものです。

岐阜某所の車部品加工をされているお客様の件で中部電力から高調波障害の連絡がありました。

その工場には、動力トランス300kva、電灯トランス50kvaの変電設備があります。

高調波障害の原因を探ってみました。結果、下記のことが原因のようでした。

原因その①動力トランスから油漏れもあり、騒音、鉄損・銅損の増大がある。

原因その②負荷の工作機械がインバーター仕様のものが多い。

原因その③直列リアクトルなしコンデンサ設備が配電系統の高調波を拡大させている。

工場の稼働は24時間体制で7時、11時、13時、17時、19時と極端に第5次高調波が発生していました。

そこで、対策として下記を実施しました。

①トランスの油漏れ対策

②小容量のコンデンサ設備にも適正な高調波耐量を有した直列リアクトルと組合せて運用

トランスあぶらもれ