前回までの電験3種関連記事で、電動機の始動電流や始動方法についてお話ししました。
そこまでの話で、電動機の場合、定格電流以上の電流が流れることがあることはお分りいただけたかと思います。そのため、屋内配線載せ設計などの場面において、電動機負荷が多い場合、特別な対応を行う必要が出てきます。

まず、過電流遮断機の定格電流(過電流遮断容量)についてです。
もし電動機以外の負荷しかない場合、過電流遮断機の定格電流(Ib)は幹線の許容電流(Ia)以下とする必要があります。
しかし、電動機が有る場合、電動機の定格電流(Im)とそれ以外の負荷の定格電流(Ih)とするとIb≦3Im+Ihとします。また、Iaがわかっている場合、3Im+Ihと2.5Iaを比較し、小さい方以下とするように定められています。
これは、もし電動機があるにも関わらず通常と同じように過電流遮断機の定格電流を設計してしまうと、電動機の始動電流により過電流遮断機が遮断してしまい、電動機が運転できなくなってしまうためです。

余談ですが、電動機専用の「モーターブレーカー」という特殊な過電流遮断機もあります。これは、始動電流によって遮断しないよう設計されたものです。こちらについても出題される可能性がありますので、併せて覚えてくと良いかと思います。

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