「第二種電気工事士を受けたいけど、合格率ってどれくらいなのかな」というあなたに、ここ十年間の第二種電気工事士(筆記・実技別)の合格率を紹介します。
また必要な勉強時間についても解説するので、ぜひ参考にしましょう。
第二種電気工事士のここ10年間(平成23年~令和2年)の合格率平均は筆記:60.3%、実技:70.7%です。
以下にここ10年間の合格率推移のグラフと表を掲載します。
年度(上下期) | 筆記試験合格率 | 技能試験合格率 |
23年度計 | 63.1% | 69.5% |
24年度計 | 58.2% | 70.6% |
25年度計 | 62.4% | 76.0% |
26年度計 | 59.0% | 74.2% |
27年度計 | 58.8% | 70.7% |
28年度計 | 58.6% | 73.4% |
29年度計 | 59.1% | 68.8% |
30年度計 | 55.4% | 67.5% |
元年度計 | 65.9% | 65.3% |
2年度計 | 62.1% | (コロナにより中止) |
10年間の平均 | 60.3% | 70.7% |
(合格率は電気技術者試験センター(第二種電気工事士試験の主催)が発表しているデータから、合格者÷受験者(≠申込者)で計算しています)
筆記試験では55~65%程度、実技試験でも65%~76%を推移しており、ここ10年では途方もなく合格率が低くなる事はありません。
つまり両方の試験を一発で合格できる割合は42%ほど、ということになります。
第二種電気工事士の難易度は「比較的低い」といえます。
そもそも資格の難易度は合格率だけでは決まりません。
たとえば一般的に難しいと言われる司法試験は25~30%ほど。しかしだからといって第二種電気工事士筆記試験の倍の難しさにとどまるわけではありません。
司法試験を受けるための資格を得るためには3000~8000時間の勉強を必要とする「予備試験」に合格せねばなりません。もしくは法科大学院を出る必要があり、その場合は大学込で6年間の時間と学費がかかります。
つまりそれだけの積み重ねがあった上での合格率が25~30%なのです。
その点、第二種電気工事士は受験資格がありません。
誰でも受験可能にもかかわらず、受験者の半分の人が合格できる資格なのですね。
とはいえ油断は禁物です。上で紹介した合格率は合格者数を受験者数で割っている、つまり「全然勉強しなかったからやっぱ今日は受験しないでおこう」と諦めてしまった人を含めずに計算しています。よって普通に勉強して試験に臨むと半分の人は不合格になってしまう試験、とも言えるのです。
以下では合格率から分かる筆記・実技試験の難易度や対策を紹介します。
第二種電気工事士の合格率平均が筆記:60.3%、実技:70.7%と聞くと「筆記のほうが難しいのか」と考える方もいるかもしれません。
しかし実際は逆で、実技のほうが難しいと考えましょう。
なぜなら実技試験には「欠陥」という概念があるからです。
欠陥とは「一度でもやるだけで即不合格」というものです。つまり実技試験は一度も失敗できない試験なのです(厳密には「軽欠陥」といって2度までOKな軽微な欠陥もあります)。
しかも試験時間も実技試験の方が厳しいので、万全の対策が必要です。
対して筆記試験の合格基準は60点。問題は50問なので、20問までは不正解でもOKなのです。心持ちとしても筆記試験のほうがラクですよね。
筆記試験について計算問題は解けなくてOKです。
計算の配分はせいぜい10点程度。もちろん解けるに越したことはありませんが理屈や計算が苦手な方であれば、そこまで勉強しなくて大丈夫。
計算はすべて捨てて覚えるだけの部分をマスターすれば、十分合格は目指せます。
以下に筆記試験の内容を紹介します。
試験の形式としては四者択一50問のマークシート方式で、試験時間は2時間です。
つまり確率としてすでに10問は正解できることになるので、知識問題だけで残り20問をなんとか合わせていきましょう。
実技試験では先述の通りスピード勝負です。
実技試験は施工条件にあった作品を40分で欠陥なく作成できると合格です。
欠陥例としては以下の通り。
詳細は電気技術者試験センターより技能試験の概要と注意すべきポイントが公開されていますので、勉強しながら目を通してみましょう。
第二種電気工事士合格に必要な勉強時間は150時間程度。期間にして3ヶ月程度を見ておきましょう。
毎日2時間程度を、週6日勉強する計算ですね。受験申し込みから受験まで3ヶ月程度なので、ちょうど申し込んだら毎日勉強をするようなイメージでOKです。
以下に勉強方法について紹介します。
筆記は重要な部分から学習しましょう。特に施工方法や配線図については頻出するので重点的に学習する必要があります。
具体的には施工方法に含まれている接地や漏電遮断機器の設置、絶縁については毎回のように出題されているのでマスターしましょう。
試験対策、という面でももちろん重要ですが実務としても「安全」に直結する内容です。
そもそも業務独占資格である第二種電気工事士は「素人にはやらせられない」から業務独占資格なのです。
上記のような現場で電気工事士に求められていることをきっちりこなせるように意識して勉強しましょう。
実技は事前に通知される13個の課題の中から、当日ひとつ出題されて作成することになります。
そのため、実技試験の勉強は「13個の課題を欠陥なく40分以内に作成できるようにする」シンプルなものになります。
具体的には以下の3ステップです。
ちなみに人気のテキストはぜんぶ絵で見て覚える第2種電気工事士技能試験すい~っと合格です。
また工具はHozanの電気工事士技能試験工具セットがシンプルでおすすめ。
材料は「第二種電気工事士技能試験練習用材料」が売られているので、年度にあったものを買いましょう。はじめから3回分がセットになったものが楽ではありますが、合格後無駄になるパーツもあります。無駄になるのが嫌な方は1回分だけを購入して、足らない部品だけ追加で購入するのも手です。
「昔から勉強が苦手で毎日2時間も勉強できる気がしない」「実技は不安だし、人から直接習いたい」というあなたには「日本エネルギー管理センター」の試験対策講習会がおすすめです。
先述の通り第二種電気工事士のここ10年間(平成23年~令和2年)の合格率平均は筆記:60.3%、実技:70.7%、両方の試験を一発で合格できる割合は42%ほどです。
しかし当センター受講者の合格率は90%以上。大変人気の講座となっています。
計算問題に重きを置かず「覚えるだけで点数が取れる問題」で合格点がとれるように指導するなど、2日間の講習で筆記と実技の要点を押さえて最小の努力での合格を目指します。また講義の内容は録画されており、パソコンやスマホでいつでも復習可能です。
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